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「パリ協定と整合性のある金融機関原則」

菅首相が「温室効果ガスを2050年までに実質ゼロ」にすると10月26日に発表しました。政府の新目標は世界から遅れを取りながらも、一歩前進したと言えます。しかし実現のためには具体的な対策強化が課題となると同時に、炭素吸収源としての森林の保護も極めて重要となります。 この数カ月、世界の銀行でも気候変動対策に関する公約を発表する動きが続いています。HSBCとモルガン・スタンレーは温室効果ガスの実質ゼロを約束し、JPモルガン・チェース、バークレイズをはじめとする銀行ではパリ協定に整合性のあるファイナンスを約束しています。日本のメガバンクの対応に注目が集まります。 気候危機対策への要請が高まる中、米環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)は、国連「責任銀行原則」(PRB)発足から1年を受けて「パリ協定と整合性のある金融機関原則:化石燃料、森林減少と気候危機」を発表しました。 日本のメガバンクを含むPRB署名銀行は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定に沿った資金提供の実施を約束しています。公約を果たすためには、化石燃料の拡大、森林破壊および泥炭地破壊を引き起こす事業への投融資を直ちに停止する必要があります。 「パリ協定と整合性のある金融機関原則」では、金融機関がポートフォリオを「1.5度目標」と整合させるためにとるべき行動を提言しています。本原則にはRANを含む60の市民団体が賛同しています。 こちらからレポートをダウンロードしてください… Read More

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インドネシアとブラジルの森林火災をあおる銀行〜新型コロナによる複合リスクの脅威

責任ある金融 シニア・キャンペーナー ハナ・ハイネケン(本ブログはRIEF環境研究機構に9月19日に寄稿したものです。11月6日更新) 写真:ヘリコプターによる消火活動と伝統的な高床式住居に迫る火の手、インドネシア オガン・コメリング・イリル地区ペダマラン小地区 画像提供:Nopri Ismi/モンガベイ・インドネシア 今年もまた、壊滅的な森林火災の季節がやってきた。すでにインドネシア、ブラジル、中央アフリカ地域の熱帯林、ロシア・シベリアの北方林、北米西海岸の温帯雨林を含む森林などでは火災が猛威を振るっている。火災は森林生態系の荒廃や気候変動を加速させている。こうした中、幸いなことに、ますます多くの銀行や機関投資家が火災に関与している企業や国家政府に対して影響力を持ち、森林火災への対処を迫ることができると自覚している。しかし、こうした銀行や投資家の取り組みは十分なのだろうか? ブラジルでは、火災は土地投機や森林地帯への農地拡大と大きく関係している。牧草地や大豆農園の造成のために、土地を更地にする目的で火が放たれる場合が多いのである。そして、こうした火災の多くは未登録の土地で土地収奪の一環として発生しているため、犯人の特定が難しい。しかし森林リスク産品のESG(環境、社会、ガバナンス)リスク分析を専門とする研究イニシアチブであるチェーン・リアクション・リサーチの調査によると、2019年のブラジルの火災は、全体の50%近くが食肉加工会社のJBS、ミネルバ、マルフリグの買い付け候補地域で発生していることが判明している。サンタンデールとHSBCは、この食肉加工会社3社の上位金融機関に含まれる。昨今、火災は激しさを増している。 写真:ハミルトン・モウラン副大統領とサンタンデール・ブラジル銀行の取締役会のメンバーとの会談(2020年7月23日、ブラジリアにて)、画像提供:Romério Cunha/VPR (ブラジル共和国副大統領府) 2019年にブラジルのアマゾン全域で火災が急増したことを受けて、16兆ドルの資産を有する国際投資家グループ(PRI及びCERESに署名している230機関)が声明を発表し、ボルソナロ大統領政権に問題への対応を… Read More

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