本プロジェクトは、東南アジア、中央・西アフリカ、ブラジルにおける熱帯の天然林に影響を与えている、牛肉、大豆、パーム油、紙パルプ、天然ゴム、熱帯木材(森林リスク部門)のサプライチェーンに直接関与している300社以上の企業が受け取った金融サービスについて評価しています。
これらの選定された企業に対する、2013-2020年4月の期間に提供された企業融資と引受額の算出においては、ブルームバーグ、Refinitiv(リフィニティブ:旧トムソンEIKON)、TradeFinanceAnalytics、IJGlobalの金融データベース、企業報告書(年次、中間、四半期)、企業発行物、会社登記簿、報道記事、分析報告書を使用しました。選定された企業の債券と株式への投資については、利用可能な最新の2020年4月の提出日でのRefinitiv、トムソンEMAXX とブルームバーグのデータから算定しました。
ブラジルの森林リスク企業への資金の流れを特定するために、上記に加えてブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)の「透明性」ポータルサイトとブラジル中央銀行のポータルサイトも使用しました。
この調査により、選定した企業と、当該企業と何らかの取引関係がある金融機関との個別の契約レベルの情報が提供されます。調査対象として選定された企業300社以上のうち、金融機関、資金提供額、調査期間内の開始日が把握できる融資を特定できたのは230社だけでした。
森林リスク部門以外の事業活動がある企業については、全体の資金提供額のうちで森林リスク部門事業に帰すると合理的に考えられる資金提供額を正確に示すために、該当額を減額して集計しました(調整係数を参照)。入手した財務情報が投資目的や親会社グループ内での資金提供を受けた部署を特定していない場合には、同社の森林リスク部門の事業を親グループの全事業と比較することにより減額率を個別に算出しました。
本調査で特定した商業銀行については、熱帯林セクターへの投融資決定に関連する公表された方針の強度を評価した後、次いで環境・社会・ガバナンス(ESG)基準を組み込んだ一連の評価基準に照らして採点しました。主要な銀行について、各行の方針の適用範囲と環境と社会面の基準について採点しました。「『森林と金融』金融機関の方針評価」の評価方法は、「フェアファイナンスガイド」に基づいており、森林リスク部門に焦点を当てています。各金融機関の採点および採点基準は「『森林と金融』金融機関の方針評価まとめ」(2018年)をご覧ください。
「森林と金融」ウェブサイトで提示されたデータや評価は、当該金融機関や顧客企業から情報提供や確認を得ているものではありません。正確かつ客観的にデータや評価について調査および提供できるように努力していますが、完全な正確さを保証することはできません。これは特に、金融機関と森林リスク部門の顧客企業が重要な財務情報と企業情報を記録する方法に一貫性と透明性がないためです。金融サービスの情報元に曖昧さがあった場合、本ウェブサイトの作成者は慎重な評価を行います。その結果、実際の資金提供額よりも過小評価される可能性があります。作成者は、何らかの誤りが確認できた場合にはできるだけ早く修正することとします。
「森林と金融」データベースおよび銀行の方針評価:これまでの更新記録
2016年9月:森林リスク部門の生産と一次加工活動のために50社に提供された金融サービスを評価し、銀行の方針評価とデータベースの初版を発表。
2017年6月:データベースを180社以上に拡大。取引と製造を含めた森林リスク部門のサプライチェーン全体をカバーするように方法論を改訂。
2018年12月:データベースを更新、対象企業を190社以上に拡大。ESG(環境・社会・ガバナンス)面の基準をもとに評価した「銀行の方針評価まとめ」(31銀行)を発表。
2019年11月:データベースを更新。2019年8月までに100社以上の財務情報を更新。
2020年9月:東南アジアに、中央・西アフリカ、ブラジルを含めてデータベースを更新・拡大。新規データセットには牛肉と大豆の2部門が追加された。現在、300社以上の大手森林リスク産品企業の情報を扱っています (最新の「方法論」を参照)。