エンバイロンメンタル・ペーパー・ネットワーク(EPN)による「レッドライン」
「レッドライン」評価は全世界を対象とする一方、2018年に行われた「森林と金融」の評価は東南アジアで事業を行っている企業を対象としています。「レッドライン」評価は紙パルプ業界に焦点を当てており、「森林と金融」の評価は4つの森林リスク産品(パーム油、紙パルプ、木材および天然ゴム)を対象としています。レッドライン評価は、銀行の方針評価にスコアを用いていませんが、「森林と金融」ウェブサイトはスコアを用いています。
「フォレスト500」
「森林と金融」での方針評価は、森林破壊、人権および労働者の権利、伝統的な暮らしをする人々の権利の保護についてより詳しい基準があります。一方、「フォレスト500」の基準は、方針の対象範囲、金融機関全体での方針実施およびその報告に関してより詳細な基準があります。
「フェア・ファイナンス・ガイド」
「フェア・ファイナンス・ガイド」では、14カ国の金融機関のみ対象としています。これにはインドネシア、ブラジル、日本を拠点とする金融機関が含まれますが、森林破壊リスク産品への資金提供に銀行が大きく関わっているマレーシアや中国、米国などは含まれません。「森林と金融」の方法論は「フェア・ファイナンス・ガイド」を参考にしたものですが、「should(やるべきこと)」よりも「shall(規則=shouldよりも強い)」が多くなっています。また、生物多様性の保護や労働者の権利擁護、国際協定の遵守、税制については、「森林と金融」の方が詳しい基準があります。「フェア・ファイナンス・ガイド」にはFSC(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)認証に対する要件が含まれていますが、「森林と金融」では「信頼できる認証」を求めています。企業が実施すべき報告およびCoC(Chain of Custody:加工・流通過程)の方針に関しては、「フェア・ファイナンス・ガイド」の基準の方が詳細です。